【比較】PU vs. EPS|それぞれの特徴とメリット・デメリット
サーフボードを選ぶときに、「PU(ポリウレタン)とEPS(エポキシ)のどちらがいいの?」と悩んだことはありませんか?実は、この2つの素材には浮力・重さ・耐久性・乗り味など、それぞれ大きな違いがあります。
「PUのしっとりしたフィーリングが好き」「EPSの軽さと反発力が最高!」——サーファーによって好みは分かれますが、それぞれの良さがあるので、あなたのスタイルやライディング環境に合ったボードを選ぶことが大切です。
今回は、PUとEPSの特徴や違いを徹底比較しながら、それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく解説します!
1. PU(ポリウレタン)ボードの特徴
1-1.PUボードの構造と素材
PUボードは、ポリウレタン(PU)フォームを芯材として使用し、ポリエステル樹脂でラミネートされています。これは伝統的なサーフボードの製造方法で、多くのプロサーファーやクラシックなライディングを好む人に人気があります。
1-2. 特徴
① 乗り味がしなやかで波に馴染みやすい
PUフォームの一番の特徴はこのボードのしなりやすさです。PUフォームとポリエステル樹脂の組み合わせにより、適度なしなり(フレックス)があり、波に合わせたスムーズなターンがしやすい。
特にレール(ボードの端)が波に食い込みやすく、ドライブ感のあるライディングが可能。板がしなるイメージが付きにくいかもしれませんが、乗ってみればとてもよくわかるぐらい違います。
② 重量があり、安定感がある
EPS(エポキシ)ボードより重めのため、チョッピーなコンディションでも安定しやすい。強風や荒れた海面でもバタつきにくく、特にパワーのある波でのコントロール性が高い。なので、大きな波やパワフルな波で試合をする世界の選手たちは、PUを使うことが多いのです。
③ フィーリングがナチュラル
PU特有のしっとりとしたフィーリングで、ボトムターンやカービングの感覚が自然。パフォーマンス系のショートボードはもちろんの事、レトロボードなどのクラシックなサーフィンスタイルにも向いており、幅広く使用されています。
④ 水を吸いやすい
PUフォームはクラッシュすると水を吸いやすいため、早めのリペアが必要。また、凹みなどが起きやすく、使用年月とともにフットマークは増えていきます。
⑤ 加工しやすい
PU素材は加工がしやすいため、シェイパーによるカスタムオーダーにも適しています。職人の手作業による微調整がしやすく、独自のデザインを追求しやすいため、特にハンドシェイプのボードではよく使われます。一方で、加工の手間がかかるため、大量生産や機械シェイプ向きです。
⑥ 黄ばみ/変色しやすい
時間が経つと黄ばみやすいという特性があります。特に日焼けや使用頻度によって、白かったボードが黄色っぽく変色することがあります。
1-3. PUボードが向いている人
✔ クラシックな乗り味やしなやかさを求める人
✔ パワーのある波や、オールラウンドなコンディションで安定したライディングをしたい人
✔ 小波から頭オーバーまで幅広く使えるボードを探している人
✔ホームポイントにパワフルな波がよく来る人
1-4. PUボードのデメリット
- EPSボードに比べて重い(パドル時のスピードがやや劣る)
- デッキが凹みやすい
- 劣化しやすい
2. EPS(エポキシ)ボードの特徴
2-1. EPSボードの構造と素材

EPSボードは、発泡スチロールのようなEPSフォームを芯材として使用し、エポキシ樹脂でラミネートされています。PU(ポリウレタン)ボードと並ぶ主流の素材で、特に近年は多くのブランドがEPS製のボードを展開しています。
2-2. 特徴
① 軽量で浮力が高い
PUボードよりも軽く、パドルが速いため、初心者から上級者まで扱いやすいです。浮力があることで、小波でもスピードがつきやすく、テイクオフが速いです。
② 耐久性が高い
EPSフォームはPUフォームよりも密度が高く、水を吸いにくいので、クラッシュしてもすぐに大きなダメージを受けにくい。ポリエステル樹脂ではなくエポキシ樹脂を使用するため、ひび割れや黄ばみがしにくい。
※クラッシュした場合はダメージを受けにくいとはいえ、すぐにリペアすることをお勧めします。
③ 反発力があり、スピードが出しやすい
PUボードに比べてボードのフレックスが速く戻る(反応が早い)ため、スピードに乗りやすい。軽さと反発性があることで、アクション系の動きがしやすく、エアーやクイックなターンが得意。
④ 小波や弱い波でのパフォーマンスが良い
浮力とスピードの出しやすさ、反発力の大きさから、特にビーチブレイクや小波コンディションでの性能が高いです。ともかく波の力を受けやすいため、弱い波でも動かしやすい。
⑤ フィーリングがPUと異なる
PUボードのようなしなやかさが少なく、硬くてシャープな乗り味になる傾向がある。レールの入り方やターンのフィーリングがPUと違うため、好みが分かれることがある。
2-3. EPSボードが向いている人
✔ パドルを速くし、テイクオフを楽にしたい人
✔ 小波やビーチブレイクで軽快に動かしたい人
✔ エアーやクイックなアクションを重視する人
✔ 軽くて耐久性のあるボードを求める人
2-4. EPSボードのデメリット
- PUボードよりも波に馴染みにくく、チョッピーなコンディションではバタつきやすい
- 軽いため、強風時のコントロールが難しい
- PUボードのようなしっとりした乗り味を好む人には合わないことがある
3. PUとEPSの比較表
| 特徴 | PU(ポリウレタン) | EPS(エポキシ) |
|---|---|---|
| 重さ | やや重い(安定感がある) | 軽い(取り回しがしやすい) |
| 浮力 | 普通(波に馴染みやすい) | 高い(パドル・テイクオフが速い) |
| 強度 | 水を吸いやすい | 衝撃に強く水を吸いにくい |
| 乗り味 | しなやかで波に食い込みやすい | 反発力がありスピードが出しやすい |
| 適した波 | パワーのある波・オールラウンド | 小波・ビーチブレイク向き |
| ターン | 滑らかで安定したカービング | 軽快でクイックな動きが得意 |
| 耐久性 | デッキが凹みやすい | 割れやすいが長持ちしやすい |
| 価格 | 比較的安い | やや高価 |
4. どちらを選ぶべき?初心者・中級者・上級者向けのおすすめ

① 初心者向け
・EPSボードがおすすめ
→ 浮力があり、パドリングが楽。反発力もあるので、ボードの走り出しが早く、パワーゾーンが少しずれてもカバーしやすい。耐久性も高いので長持ちする。
② 中級者向け
・どちらも選択肢
→ 自分のサーフスタイルに合わせて選ぶ。自分がどんなサーフィンをしたいか、どんなコンディションで使うかを考えてみて選ぶ。また、自分が持っていない方を選ぶと使い分けができる。
③ 上級者向け
・PUボードが主流
→ フレックス性があり、波のフェイスに合わせた繊細なターンが可能。
結局どちらも一長一短。あなたのサーフィンスタイルに合ったボードを選ぶのがベスト!迷ったらぜひ相談してください!
5.サーフボードのフォームの違いによるリペア時の注意点
サーフボードのフォーム(芯材)は、主にPU(ポリウレタン)とEPS(エポキシ)の2種類があり、それぞれリペア時の注意点が異なります。間違った方法で修理すると、ボードをさらに傷める可能性があるため、適切な材料と手順を理解しておくことが重要です。
5-1. PU(ポリウレタン)フォームのリペアの注意点
✔ 基本はポリエステル樹脂で修理
PUボードは基本的にポリエステル樹脂でラミネートされているため、通常はポリエステル樹脂で修理します。ただし、エポキシ樹脂で作られているボードも稀にあるようです。
✔ 乾燥状態を確認する
PUフォームは水を吸いやすいため、クラッシュ後に水が浸入している場合は、しっかり乾燥させてから修理することが重要です。濡れたまま樹脂を塗ると、内部に水が残り、後々フォームが劣化する原因になります。
✔ 研磨時に削りすぎない
PUは比較的柔らかいため、リペア時に削りすぎるとフォーム部分が凹みやすく、仕上がりが不自然になることがあります。研磨は慎重に行い、極端に削らないようにしましょう。
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5-2. EPS(エポキシ)フォームのリペアの注意点
✔ 絶対にポリエステル樹脂を使わない!
EPSフォームはポリエステル樹脂を使うと溶けてしまうため、必ずエポキシ樹脂を使用することが大前提です。ポリエステル樹脂で修理すると、フォームが溶けてボードがダメージを受けるので注意しましょう。
✔ 水の吸収を防ぎやすいが、早めに修理する
EPSフォームはPUよりも水を吸いにくいですが、それでも長時間放置すると内部に水が浸透してしまいます。EPSボードは修理が必要な部分をすぐに塞ぐことが大切です。特にクラッシュ部分が大きい場合は、すぐに乾燥させるようにしましょう。
✔ 研磨時に粉が飛びやすい
EPSフォームはビーズ状の発泡素材なので、研磨すると細かい粒子が飛び散ります。作業時は屋外で行うか、掃除しやすい環境を整えることをおすすめします。また、表面が荒れやすいので、滑らかに仕上げるために慎重に削ることが重要です。
EPSフォーム用 簡易リペア剤
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5-3. BREAKOUTにお任せください
リペアに自信がない、失敗したくないなど心配な方は、是非当店までお持ち込みください。プロのシェイパーの技術で綺麗にリペアいたします。
6. まとめ
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浮力と耐久性を求めるなら「EPSボード」
-
しなやかなターンを楽しみたいなら「PUボード」
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持ち運びやパドリングの楽さを求めるなら「EPSボード」
-
クラシックなライディングフィーリングが好きなら「PUボード」
自分のサーフスタイルや環境に合わせて、最適なボードを選びましょう!🏄♂️


